ホームページ制作の相場【2026年版】工程別の人日と費用を分解する
ホームページ制作の相場を、ディレクションから公開・保守まで工程ごとの人日と単価に分解して解説します。ページ数別の早見表付き。同じ10ページでも30万円と150万円に分かれる理由が、見積書を見ただけで判断できるようになります。
ホームページ制作の見積金額は、ほぼ全額が人件費です。材料費も在庫もありません。つまり制作費は「誰が、何時間働いたか」でしか決まりません。この一点を押さえると、相場の幅が広い理由も、同じ10ページで30万円と150万円に分かれる理由も、機械的に説明できます。
この記事では、複数の制作会社が公開している料金表を突き合わせたうえで、費用を工程ごとの人日に分解します。ページ数別の早見表も載せます。読み終えたら、手元の見積書を同じ形式に書き直せる状態になります。
ホームページ制作の相場は「人日×単価」で決まる
制作会社の見積書は、最終的に次の式に還元できます。
各工程の人日数 × 人日単価 = 制作費
人日とは、担当者1人が1日(実働8時間前後)作業する量のことです。複数の制作会社が公開している解説では、Web制作の人日単価は4万円前後が一つの目安として示されています。1日8時間なら時間単価5,000円前後という計算です。
この4万円は担当者の日給ではありません。社会保険料、デザインソフトのライセンス料、オフィスや機材の維持費、受注が途切れた期間の空き稼働までを含んだ社内原価に、利益を乗せた金額です。大手ほど間接費が厚くなるため単価は上がり、フリーランスは下がります。
重要なのは単価そのものより、計上された人日数が作業量に見合っているかです。見積書を見たときに問うべきは「高いか安いか」ではなく「この工程に本当に何日かかるのか」です。
工程別の費用内訳:ディレクションから公開まで
10ページ規模のコーポレートサイトを想定し、各工程の目安工数と、人日単価4万円で換算した金額を並べます。この表は複数社の公開料金表と整合する範囲で作ったモデルケースであり、統計調査ではありません。自社の見積書と比べる物差しとして使ってください。
| 工程 | 主な作業 | 目安工数 | 4万円換算 |
|---|---|---|---|
| ディレクション・要件定義 | 目的整理、ヒアリング、要件書、進行管理 | 3〜6人日 | 12〜24万円 |
| 情報設計 | サイトマップ、ワイヤーフレーム、原稿構成 | 3〜5人日 | 12〜20万円 |
| デザイン | トップ+下層テンプレート、スマホ対応 | 5〜10人日 | 20〜40万円 |
| コーディング | HTML/CSS実装、レスポンシブ、表示調整 | 5〜8人日 | 20〜32万円 |
| CMS構築 | WordPress等の導入、更新画面の作成 | 2〜6人日 | 8〜24万円 |
| 原稿作成 | 取材、ライティング、校正 | 0〜8人日 | 0〜32万円 |
| 撮影 | 社屋・人物・商品(交通費と機材費は別) | 0〜2人日 | 0〜8万円 |
| テスト・修正 | 表示確認、リンク確認、フォーム動作確認 | 1〜3人日 | 4〜12万円 |
| 公開・初期設定 | サーバー設定、SSL、解析タグ、検索エンジン登録 | 0.5〜1人日 | 2〜4万円 |
| 合計 | 19.5〜49人日 | 78〜196万円 |
保守は制作費とは別の科目
公開後の保守は、この表の外側にあるランニングコストです。複数社の公開情報では、制作会社に保守を委託した場合の月額は1〜3万円、幅を取って5千円〜5万円程度に収まっています。中身の分解はホームページの月額保守費の内訳で詳しく扱います。
ページ数別の費用早見表【2026年版】
公開されている料金表を複数確認すると、規模別の初期費用はおおむね次のレンジに収まります。下限はテンプレート利用・原稿支給、上限は取材と撮影を含むオリジナル制作だと考えてください。
| 規模 | 想定ページ数 | 初期費用のレンジ |
|---|---|---|
| ランディングページ | 1ページ | 10〜100万円 |
| 会社案内型 | 3〜5ページ | 10〜50万円 |
| 集客型コーポレート | 10ページ前後 | 50〜150万円 |
| 中規模サイト | 10〜30ページ | 80〜200万円 |
| 大規模サイト | 30ページ以上 | 150万円〜 |
ページ単価という見方をすると、下層ページのデザインは1〜5万円、コーディングは1〜3万円という数字が複数社で共通しています。トップページだけは別格で、デザイン8〜15万円、コーディング5〜15万円が相場です。トップページ1枚に下層ページ数枚分の費用がかかるのは、そこで全体のデザインルールを決めているからです。
なぜ同じ10ページで30万円と150万円に分かれるのか
工程表に戻ると、答えは明快です。150万円の見積は全工程を制作会社が引き受けています。30万円の見積は、次の工程が抜けています。
- 要件定義と情報設計を省略し、既存サイトの構成をそのまま踏襲する
- デザインをテンプレートから選ぶ(デザイン工程が実質ゼロになる)
- 原稿と写真を発注側が用意する
- CMSを入れず、更新のたびに制作会社へ依頼する
- テスト工程を簡略化する
これだけで20人日以上が消えます。30万円と150万円は同じ商品の値引き前後ではなく、そもそも買っている作業量が違います。どちらが正しいという話ではありません。原稿も写真も社内にあり、デザインにこだわりがないなら、30万円の構成で十分な場合があります。
問題は、150万円の見積書に150万円分の工程が書かれていないケースです。金額の根拠が示されない見積を受け取ったら、見積書を工程単位に分解させる質問リストを使って内訳を出してもらってください。
見積書で最初に確認する4項目
- ディレクション費が総額の10〜30%に収まっているか。複数の制作会社がこのレンジを目安として示しています。極端に高い場合も、ゼロの場合も、理由を聞く価値があります
- 原稿と写真の担当がどちらか明記されているか。ここが曖昧だと、公開直前に追加費用が発生します
- 修正回数の上限と、上限を超えた場合の単価が書かれているか
- 保守費に何が含まれるか。サーバー代などの実費と、作業枠が分けて書かれているか
自社の見積が相場からどれだけ離れているかを機械的に確認したい場合は、ぼったくり見積チェックに金額と内訳を入れてみてください。
業種によって相場が変わる場合
同じページ数でも、表現規制が厳しい業種は確認とチェックの工数が上乗せされます。代表例が医療機関です。医療広告ガイドラインへの適合確認が制作工程に加わるため、同規模の一般企業サイトより高くなる構造があります。詳細はクリニック・歯科のホームページ制作費用で扱います。
発注先を制作会社以外にする選択肢もあります。費用と引き換えに何のリスクを負うかは発注先4パターンの比較にまとめました。
この記事の要点
- 制作費は「工程ごとの人日数 × 人日単価」に還元できる。人日単価は4万円前後が一つの目安
- 10ページ規模なら全工程で20〜49人日、金額にして78〜196万円のレンジに収まる計算になる
- 同じ10ページで30万円と150万円に分かれるのは値引きではなく、買っている工程の数が違うから
- 費用を下げる最短経路は原稿と写真の内製化。テストと公開前確認を削るのは逆効果
- 見積書は必ず工程・人日・単価・担当・納品物の5項目に分解してもらう
📎 参照した一次情報
- › Web幹事「ホームページ作成費用・制作費用の料金相場」
- › あきばれホームページ「ホームページ作成・制作費用の相場と料金」
- › バリューエージェント「ホームページ制作の費用相場と内訳」
- › LIG「ディレクション費って何?相場や内訳をWeb制作会社が解説」
- › NTTタウンページ デジタルリード「ホームページ制作費用の相場と内訳」
数値は執筆時点の公表値です。制度・相場は変わります。契約前に必ず最新の一次情報をご確認ください。
よくある質問
Q ホームページ制作の相場はなぜこれほど幅があるのですか。 ▾
制作費のほとんどが人件費だからです。同じ10ページでも、原稿と写真を発注側が用意してテンプレートを使えば作業は10人日以下に収まりますが、取材・撮影・原稿作成・オリジナルデザイン・CMS構築まで含めれば40人日を超えることがあります。人日単価を4万円とすると、この差だけで100万円以上の開きが出ます。金額の大小ではなく、何人日分を買っているかで比較してください。
Q 見積書に「Webサイト制作一式」としか書かれていません。問題ありますか。 ▾
契約上ただちに違法というわけではありませんが、発注側が検証できない見積書です。一式表記では、どの工程に何時間かかる想定なのか、追加費用がどこで発生するのかが分かりません。工程・人日・単価・担当者・納品物の五つに分けた内訳を依頼してください。この依頼に応じられない場合、社内で稟議を通す根拠そのものが作れません。
Q 人日単価4万円は高くないですか。 ▾
複数の制作会社が公開している解説では、人日単価4万円前後が業界の一つの目安として示されています。これは担当者の給与ではなく、社会保険料、ソフトウェアのライセンス料、オフィス維持費、受注できなかった期間の空き稼働などを含んだ社内原価に利益を乗せた金額です。単価そのものより、計上された人日数が作業量に見合っているかを見るほうが実益があります。
Q 安く抑えるには何から削ればよいですか。 ▾
最初に効くのは原稿と写真です。文章と素材を発注側が用意するだけで、10ページ規模なら数人日から10人日分の工数が消えます。次にページ数です。公開時点で本当に必要なページだけに絞り、あとから増やす前提で設計すれば初期費用は下がります。逆にテストや公開前確認の工程を削ると、公開後の手戻りで結局高くつきます。