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発注ラボ HATCHU LAB
解約・乗り換え #乗り換え#引き継ぎ#ドメイン#契約解除

制作会社を乗り換える手順|引き継ぎで失うものをゼロにするチェックリスト

ホームページの制作会社を変えるときに、ドメイン・データ・原稿・アクセス解析をどう引き継ぐか。切り出す順番を間違えるとサイトが止まります。契約解除の前にやるべきことを、時系列で整理しました。

公開 約7分で読めます 発注ラボ 編集部

制作会社の乗り換えで本当に怖いのは、料金でも品質でもありません。引き継ぎの順序を間違えて、サイトとメールが止まることです。

そして、その事故のほとんどは「解約を先に伝えてしまった」ことから始まります。関係が切れたあとに、ドメインの認証キーやサーバーのパスワードを聞き出すのは、想像よりずっと難しい。

この記事では、乗り換えを「解約の話を切り出す前」と「切り出したあと」に分け、それぞれでやるべきことを時系列に並べます。

まず、自社が何を持っていないかを確認する

乗り換えが難航する会社には共通点があります。自社のサイトを構成する資産のうち、どれを自社が保有しているのかを、誰も把握していないという点です。

次の6つについて、「名義」と「アクセス権」を確認してください。

資産 確認方法 自社にない場合のリスク
ドメイン WHOIS検索、または登録事業者の管理画面 移管を拒まれるとURLを変えざるを得ない
サーバー 契約書、管理画面のログイン情報 データを取り出せない
サイトのデータ(HTML・画像・DB) FTP/管理画面からダウンロードできるか 作り直しになる
原稿・写真の権利 契約書の著作権条項 文章や写真を新サイトに使えない
アクセス解析(Google Analytics 等) 管理者権限が自社アカウントにあるか 過去データを失い、効果検証ができなくなる
独自ドメインのメール どこで受信しているか(サーバーか外部か) 移行時にメールが不達になる

このうち、最も揉めるのがドメインです。名義の確認方法と、名義が自社でなかった場合の選択肢は、ドメイン・データを取り戻すで詳しく扱っています。

契約書を先に読む

同時に、現在の契約書で次の4点を確認します。

  • 契約期間と、自動更新の有無
  • 解約の予告期間(「3ヶ月前までに書面で」などの定め)
  • 中途解約時の違約金・残債の扱い
  • 納品物の著作権と、ドメイン・サーバーの名義に関する条項

契約書が手元にない、あるいは署名した記憶しかないという場合は、この時点で「契約書の写しをください」と依頼してください。これは解約の意思表示ではないため、この段階で伝えても問題になりにくい依頼です。

違約金を請求されそうな場合の考え方は、違約金を請求されたときの妥当性チェックにまとめています。

次の依頼先を、解約前に決める

順序として重要なのは、次を決めてから、今を切ることです。逆にすると、空白期間のあいだサイトが更新できず、問い合わせも止まります。

次の依頼先を選ぶとき、価格だけで比較すると同じ失敗を繰り返します。確認すべきは次の点です。

  • 見積が工程ごとに分解されているか(「一式」でないか)
  • ドメイン・サーバーの名義を自社にできるか
  • 納品物の著作権が自社に移転するか
  • 保守費の対象範囲が、契約書に具体的に書かれているか
  • 将来また別の会社へ移るとき、データを渡してもらえるか

最後の項目は、聞きにくいかもしれませんが、必ず聞いてください。その質問に率直に答えられる会社は、次も同じ誠実さで対応します。

見積の読み方そのものは「一式」の見積を分解する方法を、発注先の類型ごとの比較は発注先4パターンの費用と失敗リスクをご覧ください。また、現在の支払額が相場からどれだけ離れているかは、見積診断ツールでおおよその目安を出せます。

「乗り換える」以外の選択肢も検討する

乗り換えが唯一の解ではありません。次の3つの選択肢を、コストと時間で比べてください。

  1. 現在の会社と条件を再交渉する — 保守費の範囲を明確にし、更新作業を減らして減額する
  2. 乗り換える — 移行コストはかかるが、条件を作り直せる
  3. 一部を社内に戻す — 更新や原稿作成を内製化し、外注の範囲自体を縮める

3つ目は、以前なら現実的ではありませんでした。いまは、お知らせの更新やバナーの差し替え程度であれば、社内で完結できる範囲が広がっています。何を社内に戻せて、何を戻せないのかはバナー・チラシを社内で作るで線引きを整理しています。

引き継ぎの実務:止めないための切り替え手順

移行の失敗は、ほぼすべて「切り替えのタイミング」で起きます。次の順序を守ってください。

  1. 現サイトの完全なバックアップを取る — HTML、画像、データベース、原稿の元データ。新制作会社に取得させる場合も、自社にも1部保管する
  2. アクセス解析・検索コンソールの権限を自社アカウントに移す — ここだけは解約前に必ず済ませる。過去データは戻りません
  3. 新サイトを別環境で完成させる — 仮のURL(テスト環境)で動作確認まで終える
  4. メールの受信先を確認する — 独自ドメインのメールがどこで動いているかを特定し、移行計画に含める
  5. 切り替え当日、DNSを変更する — 反映には時間がかかるため、業務の少ない曜日を選ぶ
  6. 旧ページのURLから新URLへの転送(リダイレクト)を設定する — これを怠ると、検索からの流入と、他サイトからのリンクを失う
  7. 1週間、検索順位と問い合わせ件数を監視する — 異常があれば早期に対処する

このうち2番と6番は、忘れられがちで、かつあとから取り返せない項目です。

解約を伝えるタイミング

上記の1〜4まで終えた段階で、解約を申し入れます。予告期間の定めがある場合は、その分だけ前倒しが必要です。

申し入れは、口頭ではなく書面(メールで可)で行い、次を明記してください。

  • 解約の意思と、解約希望日
  • 引き継ぎを依頼する項目(データ、ドメイン移管の認証キー、各種ID)
  • 引き継ぎの期限
  • 最終請求額の内訳の提示依頼

返答が得られない、あるいは引き継ぎを拒まれる場合は、やり取りを記録に残したうえで、中小企業庁の取引相談窓口などの公的窓口に相談できます。

乗り換えたあとに、同じことを繰り返さないために

乗り換えは、条件をゼロから作り直せる唯一のタイミングです。新しい契約では、最低限このどちらも満たすようにしてください。

  • ドメイン・サーバーの契約名義が自社であること
  • 保守費で「何をしてもらえるか」が、契約書に作業単位で書かれていること

この2つが揃っていれば、次に不満が生じたときも、自力で動けます。乗り換えのコストが高くつくのは、資産を相手に預けていたときだけです。

そして、外注の範囲そのものを見直すなら、いまは選択肢が増えています。どこまでを社内で賄えるかの試算はAI内製化シミュレーターで確認できます。

この記事の要点

  • 解約を伝える前に、ドメイン・サーバー・データ・権利・解析・メールの6点の所在を確認する
  • アクセス解析の管理者権限の移管と、旧URLからのリダイレクトは、あとから取り返せない
  • 新サイトを完成させてから切り替える。DNSの変更はメールにも影響する
  • 「乗り換える」以外に、再交渉と一部内製化という選択肢がある
  • 次の契約では、ドメイン名義と保守の作業範囲を必ず書面で確定させる

📎 参照した一次情報

数値は執筆時点の公表値です。制度・相場は変わります。契約前に必ず最新の一次情報をご確認ください。

よくある質問

Q 制作会社に「乗り換えたい」と伝えるのは、いつが適切ですか
A

引き継ぐべきものの所在をすべて確認し終えたあとです。解約の意思を先に伝えると、その時点から協力を得にくくなることがあります。順序としては、①契約書で解約条件と権利の帰属を確認する、②ドメインとサーバーの名義をWhoisや管理画面で確認する、③次の依頼先を決めて移行計画を立てる、④そのうえで解約を申し入れる、という流れが安全です。なお、契約書に解約予告期間(1〜3ヶ月前など)が定められている場合は、その期限から逆算して動く必要があります。

Q ドメインの名義が制作会社になっていました。取り戻せますか
A

移管に応じてもらえるかは、契約内容と交渉次第です。費用を負担して取得したのが自社であれば、その根拠(見積書・請求書の明細)を示して移管を求めることになります。応じてもらえない場合、法的に争う選択肢はありますが、時間と費用がかかります。実務上は「ドメインを変更して作り直す」ほうが早いケースもあり、その場合はSEO評価の引き継ぎと、名刺・印刷物・看板の刷新コストを天秤にかけて判断します。詳しくは関連記事で扱っています。

Q 新しい会社に見積を依頼するとき、何を渡せばいいですか
A

現在のサイトのURL、ページ数、更新頻度、現在支払っている初期費用と月額、契約の残期間、そして「いま何に困っているか」です。現行の契約書は、守秘義務条項がある場合があるため、条文を確認してから共有してください。なお、新しい会社が現行サイトを見たうえで「うちならもっと安くできます」とだけ言う場合は注意が必要です。何をどう変えるから安くなるのか、工程レベルで説明できるかを確認してください。

Q 乗り換えの途中でサイトが止まることはありますか
A

あります。最も多いのは、ドメインの移管や向き先(DNS)の変更を、新サイトの準備が整う前に行ってしまうケースです。手順としては、新サイトを別環境で完成させ、動作確認を終えてから切り替えるのが原則です。また、メールアドレスに同じドメインを使っている場合、DNSの変更でメールが届かなくなることがあります。Webとメールは別の設定であることを、双方の担当者に必ず確認させてください。

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