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補助金 #IT導入補助金#ホームページ制作#補助金#申請手続き

IT導入補助金でホームページ制作は対象外|2026年公募要領で確認した対象と申請の流れ

IT導入補助金(2026年はデジタル化・AI導入補助金)でホームページ制作は原則対象外です。公募要領とITツール登録要領の原文をもとに、対象になるソフトウェアの条件、支援事業者経由の仕組み、申請の流れを整理します。

公開 約7分で読めます 発注ラボ 編集部

※補助金の制度は毎年変更されます。この記事は2026年9月23日時点で公開されている公式資料をもとに書いています。申請前には必ず公募要領の最新版をご確認ください。

「IT導入補助金が使えるので、ホームページ制作が実質半額になります」。この営業トークを受けたら、一度止まってください。2026年度の制度——正式名称は「デジタル化・AI導入補助金2026」——の公式資料を読む限り、ホームページ制作そのものは補助の対象になりません。事務局の「ITツール登録要領」に、対象外として明記されています。この記事では公募要領と登録要領の原文を確認しながら、何が対象で何が対象外か、申請の実務はどれだけ重いかを整理します。Webの費用を下げたいなら、補助金より先に見積書の中身を見直すほうが確実です。

IT導入補助金は2026年から「デジタル化・AI導入補助金」になった

長く「IT導入補助金」と呼ばれてきた制度は、2026年度から名称が変わりました。公式サイトは「デジタル化・AI導入補助金2026」です。申請枠は、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型/電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠の5つ。中小企業がまず検討するのは通常枠です。補助率と補助額は公募要領に次のとおり定められています。

項目 内容
補助率 1/2以内(一定の低賃金要件を満たす場合は2/3以内)
補助額(1プロセス以上) 5万円以上150万円未満
補助額(4プロセス以上) 150万円以上450万円以下
補助対象経費 ソフトウェア購入費、導入関連費(クラウド利用料は最大2年分)
直近の締切(5次締切分) 2026年9月29日(火)17:00
交付決定日(予定) 2026年11月9日(月)

「プロセス数」とは、導入するソフトウェアが持つ業務プロセスの数です。汎用プロセスのみのITツールは単独では交付申請できません。

ホームページ制作がIT導入補助金の対象外である根拠

事務局の「ITツール登録要領」には、登録要件を満たすソフトウェアであっても登録の対象外となるものが列挙されています。そこに次の項目が並びます。

  • ホームページ制作、サイト制作、WEBアプリ制作、スマートフォンアプリ制作、コンテンツ制作等の制作ツールにおける、追加開発に掛かる費用が含まれているもの
  • ホームページ制作ツールやブログ作成システム等で制作した簡易アプリケーション(情報の入力、保存、検索、表示等の簡易的な機能しか有しないもの)や、ホームページと同様の仕組みのもの
  • 広告宣伝に類するものや、広告宣伝費用が含まれるもの
  • 単なるコンテンツ配信管理システム
  • 製品が完成されておらず、スクラッチ開発を伴うソフトウェア

さらに公募要領には、顧客側画面を新規制作する費用はスクラッチ開発に該当するため対象外とする、という趣旨の記述もあります。予約や問い合わせの機能を付けたサイトを新規に作る場合でも、顧客が見る画面を一から作る部分は対象から外れます。

一方、既に完成しており追加開発費用を含まない制作ツールや、分析機能・指示機能・演算処理・制御などのプログラムは登録対象になりうる、という記述もあります。つまり、補助されるのは「事務局にITツールとして登録済みの、業務プロセスを持つソフトウェア」であって、あなたの会社のためにゼロから作るサイトのデザイン費や原稿制作費ではありません。この区別を曖昧にしたまま「ホームページも補助金が使えます」と説明されたら、どのITツール番号で申請する想定なのかを必ず聞いてください。

「補助金が出るからお得です」という営業トークを検証する

補助率1/2を素直に読めば、戻るのは対象経費の半分です。残りの半分と、対象外経費の全額は自社が負担します。

事務局は「不正行為への対応について」で、ITツールを実質無償で提供する・減額するといった販売行為を問題行為として挙げています。購入費用が後日IT導入支援事業者から返金される場合や、紹介料・コンサル料等の名目で金銭を受け取る場合が該当するとされています。

同じ趣旨の注意喚起は自治体側からも出ています。東京都中小企業振興公社は、自社の補助事業ページ冒頭で「自己負担なしでデジタルツール導入の助成金を受給できる」「購入金額の一部をキャッシュバックするので実質自己負担はありません」といった電話勧誘・セールスへの注意を告知し、助成率は2分の1以内で助成対象経費以外が自己負担となる仕組みだと明記しています。

営業を受けたら、次の3点を確認してください。

  • 補助後の自己負担額は税込でいくらか(見積書に金額で書いてもらう)
  • 申請する枠と、使用するITツールの名称・登録番号
  • 不採択だった場合、契約は白紙にできるのか

見積書の読み方は見積書の内訳を分解する記事、不自然な勧誘のパターンは契約前に見るべき兆候にまとめています。

補助対象になるソフトウェアの条件を整理する

通常枠で補助されるのは、大きく次の区分です。

区分 扱い
事務局登録済みソフトウェア(業務プロセス保有) 対象(必須。1プロセス以上)
オプション(機能拡張、データ連携、セキュリティ等) 上記と併せて申請可能
役務(導入コンサルティング、導入設定、保守サポート等) 上記と併せて申請可能
ホームページ・サイト制作、コンテンツ制作の追加開発費 対象外
スクラッチ開発、顧客側画面の新規制作、ハードウェア製品 対象外
交付決定前に購入したITツール、申請代行費、消費税、中古品、リース・レンタル 対象外

AIについては、ソフトウェアにAIを含むと定義されています。AI機能搭載ソフトは登録申請時に申告することとされ、区分は「生成AI」と「生成AI以外のAI技術(分類・分析・判断・予測等)」の2つです。

IT導入支援事業者を経由する仕組みと、その注意点

この補助金は、申請者が単独で手続きを完結できません。事務局に登録された「IT導入支援事業者」と共同事業体を組んで申請する設計で、ITツールも支援事業者が事前に登録したものから選びます。支援事業者は申請マイページへの招待、事業計画やITツール情報の入力、導入後のフォロー、効果報告の作成支援を担います。便利な反面、構造的な注意点があります。

  • 選べるのは、その支援事業者が登録しているITツールだけです。別の支援事業者にも相談して比べる価値があります。
  • 支払いは原則として銀行振込またはクレジットカード1回払いのみ。支払元は必ず補助事業者名義の口座でなければなりません。
  • 補助金申請や報告にかかる申請代行費は、補助対象外経費に明記されています。代行手数料は全額自社負担です。

複数の会社から話を聞く手順は制作会社の比較の進め方を参考にしてください。

申請の流れと必要書類、交付決定前の発注という落とし穴

公募要領が示す流れは次のとおりです。

  1. 公募要領を読み、IT導入支援事業者とITツールを選定する(この時点では契約しない)
  2. GビズIDプライムを取得する
  3. 支援事業者から申請マイページに招待され、開設・事業計画の確認を行う
  4. 交付申請を提出する
  5. 交付決定を受ける
  6. ここで初めてITツールを契約・発注し、導入・支払いを行う
  7. 実績報告を提出し、額の確定を経て補助金が交付される
  8. 交付後、効果報告を提出する

申請要件には、GビズIDプライムの取得に加え、IPAが実施する「SECURITY ACTION」の一つ星または二つ星いずれかの宣言が含まれます。労働生産性に関する3年間の事業計画の策定と実行も要件です。

法人の交付申請に必要な書類は次の3点。代替書類は一切認められないと明記されています。

  • 履歴事項全部証明書(発行から3か月以内のもの)
  • 税務署で発行された直近分の法人税の納税証明書(その1またはその2)
  • 直近分の貸借対照表および損益計算書

個人事業主は、本人確認書類、所得税の納税証明書、確定申告書の控え、青色申告決算書または収支内訳書の4点です。

最大の落とし穴は5番と6番の順番です。公募要領には、交付決定前に契約、発注、納品、支払い等を行った場合は補助金を受けることができない、と書かれています。5次締切分でいえば締切が2026年9月29日、交付決定日は2026年11月9日の予定。つまり申請から交付決定まで1か月半ほど待つ必要があり、その間は発注できません。「先に発注しておけば大丈夫」という説明は、その場で疑ってください。

交付決定率と、申請後に残る事務負担

事務局は締切回ごとの申請数と交付決定数を公表しています。通常枠の実績です。

締切回 申請数 交付決定数
1次締切分(2026年6月18日) 2,028 891
2次締切分(2026年7月23日) 1,879 819
3次締切分(2026年9月2日) 1,913 807

申請すれば通るという水準ではありません。そして交付決定はゴールではなくスタートです。5次締切分の事業実施期間と実績報告期限は、いずれも2027年4月30日17:00(予定)です。

交付後も負担は残ります。補助対象事業に係る書類等は、補助事業の完了の日の属する年度終了後5年間の保管義務があります。交付規程は、単価50万円以上の取得財産を「処分制限財産」と定め、目的以外での使用・譲渡・廃棄などを事務局の事前承認なしに行ってはならないとしています。

補助金を取りにいくかどうかは、この事務工数を自社の誰が負担できるかで決まります。情シスのいない会社なら、総務担当者の数十時間が消えます。その時間を、サイトの内製化や社内でのAI活用に振り向けたほうが利益が大きいケースは珍しくありません。いま払っている制作費や保守費が適正かは、料金の診断ツールで先に確認しておくことをおすすめします。

この記事の要点

  • 2026年度のIT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)では、ホームページ制作・サイト制作・コンテンツ制作の追加開発費や、ホームページと同様の仕組みのものが対象外とされている。
  • 補助対象は事務局に登録済みで業務プロセスを持つソフトウェア。通常枠の補助率は1/2以内、補助額は5万円以上450万円以下。
  • 交付決定前の契約・発注・納品・支払いは補助対象にならない。
  • 通常枠の交付決定数は申請数の半分以下で推移している。実績報告・効果報告・5年間の書類保管・50万円以上の財産処分制限といった事務負担も残る。
  • 営業トークの検証は「自己負担額を税込で書いてもらう」「ITツール名と登録番号を確認する」「不採択時に契約が白紙になるか確認する」の3点から。

📎 参照した一次情報

数値は執筆時点の公表値です。制度・相場は変わります。契約前に必ず最新の一次情報をご確認ください。

よくある質問

Q IT導入補助金でホームページを作ってもらうことはできますか。
A

制作そのものを補助対象にすることは、2026年の制度ではできません。事務局の「ITツール登録要領」で、ホームページ制作・サイト制作・WEBアプリ制作などの制作ツールにおける追加開発費用を含むものは、ITツール登録の対象外と定められているためです。ホームページと同様の仕組みのもの、広告宣伝に類するもの、単なるコンテンツ配信管理システムも対象外です。補助されるのは事務局に登録済みのソフトウェアであり、サイトのデザインや原稿制作の費用ではありません。要件は年度ごとに変わるため、申請前に最新の公募要領をご確認ください。

Q 「補助金が出るので実質無料です」と言われました。信用してよいですか。
A

事務局は、ITツールを実質無償で提供したり減額したりする販売行為を不正行為として注意喚起しています。購入費用が後日支援事業者から返金される場合や、紹介料・コンサル料などの名目で金銭を受け取る場合が該当します。東京都中小企業振興公社も同様に、自己負担なし・キャッシュバックをうたう電話勧誘への注意を公表しています。補助金は、対象経費に補助率を掛けた額しか出ません。残りは必ず自社の持ち出しです。実質ゼロになるという説明は、制度の建て付けと矛盾します。

Q 交付決定の前に契約してしまいました。補助は受けられますか。
A

2026年の通常枠の公募要領には、交付決定前に契約・発注・納品・支払い等を行った場合は補助金を受けることができない、と明記されています。交付決定前に購入したITツールは補助対象外経費としても列挙されています。順番は、交付申請、交付決定、それから契約・発注です。制作会社やベンダーから「先に発注してください、補助金は後から通ります」と言われても、その順番では補助が受けられない可能性が高いと考えてください。判断に迷う場合は事務局のコールセンターに直接確認してください。

Q 申請には何が必要ですか。自社だけで完結しますか。
A

法人の場合、履歴事項全部証明書(発行から3か月以内)、直近分の法人税の納税証明書(その1またはその2)、直近分の貸借対照表および損益計算書の3点が必要です。個人事業主は本人確認書類などを含め4点です。加えてGビズIDプライムの取得と、IPAの「SECURITY ACTION」の一つ星または二つ星の宣言が申請要件になっています。手続きは事務局に登録されたIT導入支援事業者と共同で進める設計で、自社だけで申請を完結させることはできません。

Q 交付決定を受けたら、それで終わりですか。
A

終わりません。ITツールの導入と支払いを済ませたうえで期限内に実績報告を提出し、そこで補助金額が確定して初めて交付されます。さらに交付後も、労働生産性などについて複数年度にわたる効果報告の提出が求められます。補助対象事業に係る書類は、補助事業完了の日の属する年度終了後5年間の保管義務があります。取得価格の単価が50万円以上の財産は処分制限財産となり、目的外使用や譲渡・廃棄には事前承認が必要です。

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